教えて麒麟・田村さん。五輪新種目「3×3バスケ」ってどんなスポーツ? (5ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Sportiva

 次に、5人制と3×3のプレーの質の違いについて、触れてみようと思います。

 3×3は5人制のバスケットボールから派生した競技ではありますが、感覚としては別競技と言ってもいいのではないかという部分も多いです。

 プレーの質において大きな違いのひとつは、5人制よりも3×3では「1対1の意識がより強くなる」ということが挙げられます。5人制の場合は、カバーリングやローテーションといったチームディフェンスが重視され、選手個々というより5人で守るという意識が強く働きます。

 しかし、いかんせん仲間が3人しかいない3×3では、相手に1対1で抜かれてしまうとカバーリングがほぼ期待できず、カバーできたとしてもローテーションは間に合わず、完全なノーマークの選手ができてしまいます。ですからディフェンスでは、是が非でも自分のマークマンは自分ひとりで守ること。オフェンスでは、まずは自分のディフェンス相手を抜き去って得点を狙うということが、プレーの基本中の基本となります。

 学生時代にバスケ部だった人は、チームにひとりくらいドライブが大好きで、ゴール下に何人も敵選手がいようと突っ込んでいき、顧問やチームメイトに「止まれ! 行くな!」と叫ばれた選手がいたのではないでしょうか? 5人制では味方からも迷惑がられたそんな選手も、3人制では重宝がられます。ショットクロックが12秒しかないこともあり、セットオフェンスを1度失敗したら、残り時間はもうわずか。無茶でも何でも突っ込んでいってシュートを打つ、もしくはファウルを取ってくる選手が求められるのです。

5 / 9

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る