アイバーソンの帰郷に歓喜。バスケ新リーグ「BIG3」がもたらす幸福 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 人呼んで、"NBAのシニアツアー"。30代、40代の引退した選手ばかりなのだから、プレーの質は最高級とは言えない。筆者は6月25日の開幕戦と、今回フィラデルフィアで行なわれた4週目の2大会を取材したが、「毎週でも見たい」と感じるようなレベルのゲームではなかった。

 開幕戦では、かつて"ホワイトチョコレート"の愛称で親しまれたジェイソン・ウィリアムスが右膝を痛め、全治6~8週間のケガを負った。今週もマーティン、ビラップスは欠場。コーチとして「3'sカンパニー」というチームの指揮を執ったアイバーソンも、ドクターストップで選手としてはプレーしなかった。

 明らかなコンディション不良による欠場者の続出には、がっかりするファンも少なくない。肝心のゲームの質が上がらない限り、「BIG3を真剣なスポーツイベントして捉えるのは難しい」という声も出てくるはずだ。

 ただ、産声を上げたばかりの新リーグに対し、現時点でそれほど厳しい判断を下すべきではないようにも感じる。プレーの質に関しては、これから徐々に上がっていく可能性を秘めているからだ。

「今年にリーグが始まり、今後に僕たちの方もトレーニングの方法がわかってくる。ここまでは手探りだったからね」

 オニールがそう述べる通り、このイベントがモチベーションになり、今後はより真剣に体調維持に努める元NBA選手も出てくるに違いない。また、大会の基盤が確立すれば、NBAを引退直後に飛び込んでくる若いプレーヤーも増えるだろう。

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