NBA事件簿。キャブスのファイナル完敗は、あの凶運セレブのせい? (5ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 父親のビッグマウスは、新人のロンゾにとってプラスに働くとは思えない......。少なくともラバーは来季、試合会場でバークレーに会ったら、その口は閉じておいたほうが身のためだろう。

(4)レブロンやカリーは露骨に反発。トランプの大統領就任余波

 ラバー・ボールと同じく、コート外から混乱を巻き起こした人物を挙げるなら、今年1月に第45代アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプだろう。

 トランプは就任直後、イスラム圏7ヵ国の入国制限を行なうという大統領令を発令した。ミルウォーキー・バックスのソン・メイカー(PF)は、その対象国である南スーダン出身。発令の時点でカナダに本拠を置くトロント・ラプターズとの試合は残っていなかったが、プレーオフで対戦する可能性もあったため、「そのときの入出国はどうなるのか?」と周囲に不安が広がった。

 そもそも、スポーツ界はヒラリー・クリントンの支持者が多く、レブロン・ジェームズは彼女の応援演説にも駆けつけている。また、レブロンはニューヨークでニックスと対戦する際、チームの宿泊先であるであるドナルド・トランプの名を冠した『Trump SoHo』への宿泊も拒否していた。

 また、アンダーアーマーの幹部がトランプについて「アメリカの『asset(財産)』だ」と語ると、契約選手のステファン・カリーはそれに反発し、「その解釈に同意する。『asset』の『et』がなければ」と発言したという。「et」を抜いた「ass」は、「バカ」などの意味を含むスラングだ。ブランドの看板選手と仲違いするわけにはいかない幹部は、「発言は大統領の社会的な見地ではなく、経済政策について」と語り、カリーの機嫌を損ねないようにすかさずフォローしていた。

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