無敵のNBA王者・ウォリアーズに忍び寄る
「スター軍団崩壊」の足音

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 ゴールンデステート・ウォリアーズの圧倒的な強さの前に、"キング"レブロン・ジェームズ(SF)もひざまずくしかなかった。それでも、前年度王者の誇りは忘れはしなかった。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

ファイナルMVPに輝き、優勝トロフィーを掲げるケビン・デュラントファイナルMVPに輝き、優勝トロフィーを掲げるケビン・デュラント「5試合すべてで全力を尽くした。うなだれる理由はない。最終目標を達成することはできなかったが、プレーオフ史上でも最高のチームが相手だったのは明らか。今季が失敗だったわけではない」

 今季のウォリアーズは、まさに「プレーオフ史上でも最高のチーム」だった。

"スプラッシュ・ブラザーズ"と呼ばれるリーグ屈指のシューティングデュオ、ステファン・カリー(PG)とクレイ・トンプソン(SG)。206cmながら抜群のシュート力を持つ新加入のケビン・デュラント(SF)。鉄壁の守備力を持つ"緑の壁"ドレイモンド・グリーン(PF)。上記4人のオールスター選手のみならず、2015年のNBAファイナルMVPのアンドレ・イグダーラ(SF)、マルチなポジションをこなすショーン・リビングストン(PG)と、その選手層の厚さは圧倒的だった。

 優勝が決まった直後、リポーターの「すばらしい選手たちを、うまくまとめましたね」という言葉に対し、スティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)の「大した才能のない選手ばかりで、HCがすごい仕事をした」という返答が冗談であることは、世界中の誰もがすぐに理解したはずだ。

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