Bリーグ昇降格、残留争いのドラマ。
競争こそが日本バスケを強くする

  • 小永吉陽子●取材・文 text by Konagayoshi Yoko
  • photo by(C)B.LEAGUE

 B1の横浜と秋田との残留プレーオフ1回戦。もつれた『第3戦』において横浜は、エース川村卓也がブザービーターで3ポイントを決めたことで生き延びたが、尺野将太ヘッドコーチ(以下HC)は反対の声を上げていた。

「リーグ戦を60試合もしておきながら、第3戦方式だと、たった10分で勝負を決めなくてはならない。状況によっては2戦目を捨て3試合目に備えなくてはいけなくなり、2試合目の価値が薄れてしまう」(尺野HC)ことがその理由だ。

 最終的には仙台と秋田がB2へ降格し、島根と西宮がB1に昇格。そして入替戦では、横浜が広島を下し、B1残留を決める結果で終わった。今後、よりよいリーグにするための検証材料として、昇降格をかけて戦った選手やコーチの声を紹介したい。

◆残留プレーオフ1回戦で敗退し、B2へ降格(秋田、仙台)

田口成浩(秋田ノーザンハピネッツ)
「ルールなので決まった以上は全力でやりますが、変えていきたいので言います。僕はbjリーグ時代からやっている前後半5分で戦う『第3戦』は反対です。40分で争うスポーツなのに、1試合の勝敗を10分で決めることはおかしいです。昨シーズンまでのNBLでは1勝1敗にもつれても第3戦は1試合行なっていたし、ファイナルは3戦先勝方式でした。NBLではやれていたことが、なぜBリーグでできないのか疑問です。

 ただ、僕たちが落ちたのは第3戦のルールのせいではありません。むしろ僕たちはホームで負けたのだし、シーズン中から惜敗していたので、これが自分たちの弱さだと受け止めています。

 負けたことが信じられず、しばらくはどん底でしたが、秋田の人や多くのブースターの声援に励まされ、水野社長が言った『ハピネッツはこれで終わりではなく、これからも続く』という言葉に立ち上がることができました。この負けた経験は生かさないといけない。今はどん底からのぼり詰めてB1で戦う姿を見せることが僕たちのやることだし、やってやろうという気持ちです」

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