栃木がBリーグ初代王者に。勝利を決めた田臥、そしてギブスのダイブ (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by (C)B.LEAGUE

 前半は43−37と、ほぼ互角。しかし、1試合平均84.3得点の川崎を37点に抑えた栃木ペースだったと言っていいだろう。

 だが、栃木の奇策がハマったのではない。強固なディフェンスは一朝一夕では構築できないし、PGの田臥をSFにマッチアップさせることも、レギュラーシーズンから実践していた栃木のスタイルのひとつだということも記しておきたい。

 後半開始直後、今度は川崎の得点力が火を吹く。

 ハーフタイム、北HCがファジーカスに「熱くなっている。1on1なんだから冷静に攻めればいい」と指示。落ち着きを取り戻したファジーカスが息を吹き返し、第3クォーターのスタートから得点を重ねた。さらに、一瞬インサイドに意識が向いた栃木ディフェンスの隙をつき、キャプテンの篠山がこのクォーターだけで7得点を挙げ、残り5分26秒で52−51と逆転に成功する。

 川崎は自慢の得点力を誇示し、第3クォーターだけで26得点の大量得点。この後、リードする川崎に栃木が離されず食らいつくという、焦(じ)れるような展開がゲーム終盤まで続くこととなる。

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