栃木ブレックスの司令塔・田臥勇太が語るBリーグ初代王者への想い (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

 田臥は、栃木ブレックスは、Bリーグ初代チャンピオンになるためにずっと準備してきた。そしていよいよ長い、長いシーズンのゴールが目前に迫っている。

「チームとしていかにチャンピオンシップに照準を合わせられるかを、ずっと考えてきました。コーチもシーズン開幕当初に言っています。『マラソンのようなシーズンになる。選手それぞれはもちろん、チームとしても成長していけるよう集中しよう』と」

 チームメイトの成長を実感した瞬間が、田臥にはある。

 5月3日、アウェー代々木第二体育館でのアルバルク東京戦。田臥は左足首の捻挫のため欠場し、コートサイドから戦況を見守った。栃木は田臥のみならず、ジェフ・ギブス(PF/C)もひざの捻挫で不出場だった。

 下馬評では栃木不利。しかし、試合は栃木が終始リードで展開する。終盤に一度は逆転を許すものの、土壇場で再逆転し、栃木が79-76で競り勝つ。この勝利で、栃木の東地区優勝が決まった。

「チームメイトが頼もしかったですね。『誰がコートに立っても、チームとしてやるべきことをやる』というマインドが徹底されていました。徹底できたことが、試合結果にもつながったと思います」

 そして地区優勝を決めたこの試合が、コートに立っていなかったにもかかわらず、田臥がより優勝を渇望した瞬間だった。

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