NBA得点王争いはタイプの違う3人のポイントガード。制するのは誰? (5ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 低身長をカバーするために、シュートは必ずステップバックやフェイドアウェイ、もしくはあえてマークマンに身体をぶつけてファウル狙いで打つ。また代名詞と呼ぶべき、ディフェンスにボールを隠すような位置で一度ドリブルしたのちに急加速して置き去りにする「ハーフターン・ヘジテイションムーブ」は、まさに低身長の選手が必ず身につけるべきムーブだろう。

 ただ、アイバーソンとトーマスには共通点もある。以前、引退したケビン・ガーネット(211cm)がトーマスを「彼はハートを持ってプレーしている」と賞賛したことがあった。それを聞いたトーマスは、こうコメントしている。

「俺は175cmのガーネットになりたい。サイズが違うことはわかっている。ただ彼は、誰を相手にしようとひるまなかった」

 一方、現役時代のアイバーソンは「バスケットボールで大切なのは、身体のサイズじゃない。ハートのサイズだ」との名言を残している。両者とも「ハート」を最大の武器にしていることは同じだ。

 得点王争いは、現時点で唯一の平均30得点オーバーのウェストブルックが有利。しかし、3月24日のセルティックス戦でデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ/SG)が70得点を記録したように、世界最高峰の選手たちが集うNBAという舞台では何が起こるかわからない。

 ウェストブルック、ハーデン、トーマス――。大量得点も十分にあり得る3人だけに、レギュラーシーズン最後の試合が終わるまで得点王争いの行方は確定しない。

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