なぜか無名の新人も登場。今年のNBAオールスターに世代交代の波 (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 アデトクンボは2013年にNBAデビュー。翌年、バックスのヘッドコーチに就任した往年のスーパースター、ジェイソン・キッドにベンチスタートを言い渡されると腹を立て、「あいつがどんなキャリアか調べてやる!」と携帯電話でキッドの経歴を検索した。そのとき初めてキッドの輝かしいキャリアを知り、「ここは黙って従ったほうがいい、と腹の虫を抑えた」と雑誌のインタビューで告白している。もちろん、アデトクンボがギリシャ出身であることも関係するだろうが、現在43歳のキッドの現役時代を知らない世代がオールスターに選出される時代になったことも、また事実だ。

 今年のオールスターゲームの注目点をひとつ挙げるなら、1962年にウィルト・チェンバレン(当時フィラデルフィア・ウォリアーズ)が記録したNBAオールスターゲーム記録42得点が破られるかどうかだろう。

 打ち破る可能性が高い選手は、2015年に41得点、そして2016年は31得点をマークし、2年連続でオールスターMVPを獲得している「お祭り男」ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー/PG)。昨年、オールスターゲーム記録となる9本のスリーポイント(3P)シュートを成功させて41得点を挙げたポール・ジョージ(インディアナ・ペイサーズ/SF)。そして今季、レギュラーシーズンで平均31.1得点のウェストブルックに次ぐリーグ2位(平均29.9得点)に食い込み、最終クォーターに無類の強さを発揮する「キングオブ4th」ことアイザイア・トーマス(ボストン・セルティックス/PG)だ。

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