「トランプ大統領」の当選にNBA選手はどんな反応を示したのか (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

「敬意や威厳があるべきところに、それがまったくないというのはつらい。娘や妻が彼の言葉によって侮辱され、悲しく沈んでいる。選手たちがマイノリティとして直接侮辱された選手たちの顔を見る。本当に衝撃的なことだ」

 彼らが問題視し、懸念しているのは、トランプ次期大統領の政策ではない。カーは大統領選挙の間、ほとんど政策を語ってこなかったトランプに対して、皮肉混じりに言う。

「彼がいい大統領になることを願っている。私は、彼がどんな大統領になるのか見当もつかない。なにしろ、彼は何をするのか話してこなかったのだからね」

 サンアントニオ・スパーズのヘッドコーチ、グレッグ・ポポビッチもヴァン・ガンディやカーと同じく、我慢できなかったのはトランプの選挙戦での差別的な言葉であり、それを知ったうえで彼に投票した人たちが大勢いたこと、そんな国に住んでいるということなのだという。

「共和党が勝ったとか、そういうことが問題なのではない。外国人嫌悪、同性愛嫌悪、人種差別、女性蔑視のコメント......。それを口にしたときの、彼の口調に吐きそうになる。半分の人たちがそういったことを無視して投票した国に、私は住んでいる。何よりも、そのことが恐ろしい。

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