【Bリーグ】SR渋谷の壮大なる挑戦。
若者の街にバスケは根付くか

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu


 クラブのコンセプトがしっかりしていれば、スポンサーもファンも集まってくる。カネが集まれば、強化も加速できることになる。SR渋谷はホームアリーナ探しに難航した結果、青学大の体育館を借りることになった。行政関係の手続きに手間取ったため、営業活動は出遅れた。メインスポンサーの日立製作所があるとはいえ、「まだ20社程度。まだまだ募集中と書いておいてください」(岡社長)という。

 渋谷には多くの会社が集まり、マーケットのポテンシャルは大きい。青学大の体育館の立地は抜群である。東京メトロの表参道駅からは徒歩数分、JR渋谷駅からも徒歩圏内で、洒落たレストランやショップが近くに並ぶ。こういった利点をどう生かすのか。

 チームの人気アップはまず、勝利が一番だろう。さらにはスター選手。

 SR渋谷は9日も富山グラウジーズに76-52で快勝し、通算5勝1敗でリーグ中地区首位に浮上した。観客数は2503人。ちなみに昨季の1試合平均は約1300人だった。

 ファン拡大のターゲットは「子ども」である。SR渋谷の広瀬キャプテンはこう、しみじみと言った。使命感が頭をもたげる。

「Bリーグになったのは、日本代表を強くするためというのが理念にあるので、将来の日本代表になるような子どもたちにバスケットボールに興味を持ってもらえるようにしたい。バスケットの試合に招待したり、オフシーズンにバスケット教室を開いたり、子どもたちとバスケットを通してコミュニケーションをとっていきたい。それがBリーグの中で一番大事なことかなと思います」

 若者の街、国際都市、ファッションの街、渋谷に誕生したSR渋谷。恵まれた立地を活かし、クラブのブランディングに成功することができるだろうか。

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