【Bリーグ】SR渋谷の壮大なる挑戦。若者の街にバスケは根付くか (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu


 また本拠が渋谷区というのがヒットである。これはプロ野球やJリーグのチームには絶対、マネができないだろう。広瀬は島根・松江東高出身。渋谷のイメージを聞けば、「大学時代、とにかく楽しかったです」と笑った。

「田舎から出てきた学生が、この街にやってきて。飲みにいったり、渋谷でバイトをしたり。やっぱり若者の街なんです。勢いがあるというか、パワーがありますよね、渋谷は」

 渋谷はまた、バスケットの"聖地"ともいわれている。1964年東京五輪の開催にあたり、バスケットボールの専用体育館として建設されたのが代々木第二体育館だった。かつてはそこで高校バスケの全国大会が開かれていた()。
※現在はウインターカップという名称で、東京体育館で行なわれている

 渋谷のスクランブル交差点そばの渋谷センター街は2011年、「バスケットボールストリート」に名称変更がなされた。地味ながらも、ストリートの入り口には銀色のバスケットボールが飾られている。

 そういえば、広瀬らSR渋谷の選手たちはBリーグ開幕前、東京都を本拠とするアルバルク東京の選手とともにバスケットボールストリートをパレードした。「もともと人が多いところを歩くのは恥ずかしかった」と広瀬キャプテンは言う。

「でも、優勝してもう一度、パレードをやりたい。そうすると、サンロッカーズの認知度も上がるでしょう」

 プロリーグのクラブのマーケティングが成功するための要素は多々あるが、ブランディングもそのひとつである。つまり、しっかりしたコンセプト。B1リーグでいえば、今のところ、「琉球王国」の琉球ゴールデンキングス、「バスケ王国」の秋田ノーザンハピネッツ、「田臥勇太」の栃木ブレックスなどは、ほぼ確立されているのではないか。

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