ケビン・ガーネットはなぜ「ひっそりと引退表明」せざるを得なかったのか (5ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 皮肉なことに、今年引退したことで、ガーネットはブライアントやダンカンとともにバスケットボール殿堂入りをすることになる。自分より多く優勝し、何よりも自分が得られなかったチームとの信頼関係を持ち続けているふたりと並んでの殿堂入り。殿堂入りセレモニーで自分が中心となれるようにするためにも引退を1年遅らせたほうがいいと、ガーネットにアドバイスした人もいたらしい。

 ガーネットの妻の兄である音楽プロデューサーのジミー・ジャムは、そのことについて『ESPN』のウェブサイト『The Undefeated』のインタビューでこう言っている。

「彼(ガーネット)はあまりスポットライトが好きではないんだ。思うに、むしろ友人たち(ブライアントとダンカン)と一緒に殿堂入りできることのほうが、彼にとっては満足できることなのではないだろうか。彼らとは熾烈な戦いをし、それによってNBAをまったく新しい時代へと導いたわけだからね」

 3人が揃って殿堂入りするのは、2021年秋――。かつてのライバルたちが揃ったステージが、今から楽しみだ。

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