ケビン・ガーネットはなぜ「ひっそりと引退表明」せざるを得なかったのか (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 昨シーズンを最後に引退したスーパースターの仲間に、コービー・ブライアントとティム・ダンカンがいる。ガーネットにとっては、どちらもプレーオフで激しい戦いを繰り広げた因縁のライバルでもある。

 彼らがふたりとも、ひとつのチームで長いキャリアを全うし、引退後もチームと深い結びつきを持っているのに対し、ガーネットはティンバーウルブズと微妙な関係のままコートを去った。

 そういったいきさつを考えると、ガーネットの動画の最後、「俺たちは大丈夫だ。簡単だとは思わないが、今のところうまくいっている。この先を楽しみにしていてくれ」という言葉も意味深に思える。『俺たち』とは、ガーネットと誰のことなのだろうか? ティンバーウルブズ? それとも彼の家族?

 ガーネットが将来的に、NBAチームのオーナーになる可能性が消えたわけではない。マイケル・ジョーダンが、シカゴ・ブルズではなく、シャーロット・ホーネッツのオーナーになったように、他のチームのオーナーになるかもしれない。あるいは、今はチームを売却するつもりがないと言っているグレン・テイラーの事情や心境が変わることもあるかもしれない。どちらにしても、パートナーだったサンダースを失ったガーネットにとって、それは少し先のことになりそうだ。

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