女子バスケWリーグ開幕!「世界レベル」の競技力を見てもらうために (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 大神の主張は主に「移籍や選手登録制度の見直し、競技力向上のために外国人選手導入、審判の向上、選手とリーグと協会がコミュニケーションを取る必要性」についてだ。大きな括りで言えば、Wリーグが国際化から外れたところにいるという指摘であり、自身が海外や国際舞台で感じたものがあるからこそ発信できる意見だった。

 選手登録に関して言えば、以前のWリーグは5月末の早い時期に締め切られていた。大神自身、2年前に中国リーグとの契約を検討していた矢先に、中国リーグのアジア人枠が撤廃されてしまったことがある。結局、そのシーズンはWリーグの選手登録には間に合わず、プレーする場所を失った。

 世界各国リーグの移籍市場はWNBA終了後の夏以降に大きく動く可能性があり、日本の体制は世界の流れには合わず、国内限定の物差しで作ったルールである。この事例は大神の訴えもあって、昨シーズンからは登録の締め切りを5月末と8月末の二段階にすることで改善が図られた。より良い環境にしていくために、現場で戦う者たちが声を上げることは必要なことだ。

 今回はリオで戦った選手たちも発信していた。誰もがしきりに言っていたのは「バスケを盛り上げたい、バスケの楽しさを伝えたい」という心からの言葉だった。

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