女子バスケWリーグ開幕!「世界レベル」の競技力を見てもらうために (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 リーグの展望に目を移せば、吉田、渡嘉敷、間宮佑圭(ゆか)という日本代表の主力を擁し、9連覇を目指すJX-ENEOSの一強時代が続いている。この絶対的女王に対抗するチームが出ないことには、課題である選手層の底上げは難しい。JX-ENEOSにしても、インサイドにボールを集めるスタイルが主体では、世界に出れば通用せず、新たな戦い方の構築と若い人材を育てることも必要だ。この状況に対してJX-ENEOSの新ヘッドコーチ(HC)であり、日本代表でもコーチとしてオフェンス強化に努めたトム・ホーバスはこのように抱負を語る。

「私たちのチームはWリーグではサイズがあるチームですが、サイズがないチームは速さでいろいろなことを仕掛けてきます。私は昨シーズンまでJX-ENEOSのコーチとして分析を担当していて、私たちがやられて嫌だったことを、高さのある世界のチームに対して行ないました。Wリーグではその逆で、日本がやったことを他のチームはどんどん私たちに仕掛けてくるでしょう。そして、私たちのチームはWNBA選手がいるのだから優勝を目指すのは当たり前で、ファンダメンタル(基本)を徹底して、中と外が連携するバスケットを作り上げていきたい。お互いにやり合えば、日本のレベルはもっと上がるのではないでしょうか」

 また一強にはさせまいと、今季にとくに意欲を見せているのが、HC就任2年目のチーム作りを迎えたシャンソン化粧品とトヨタ自動車だ。

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