Bリーグ開幕! 「バスケ新時代」成功のカギは選手の成長とプロ意識 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT


「いいところで一本決まってよかった。あれで落ち着いた。やはり、これだけ注目されて、本当にビッグゲームで責任のある試合だと思って試合に臨みました。まっ、勝てて終われたのはうれしいですけど、それほど大騒ぎするほどのことじゃないでしょ」

 A東京の開幕戦のテーマは『WOW!』だった。周りを感動させろ、ワァオと言わせろということか。結局、80-75。歴史に残る一戦を制したA東京の伊藤拓摩ヘッドコーチは言葉に実感を込めた。

「勝ち負け以上の意味を持つ試合でした。もちろん勝ちたいですけど、見ている人たちをワクワクさせるような、私たちの表現でいうと、"ワァオ"と感動させようとチームで話していました。両チームとも、どんどん強くなって、もっともっと高い質のバスケットで盛り上げていきたい」

 どうしたってスポーツ史に残る一日となるだろう。歴史を振り返れば、バスケットボール男子は、一部のチームがナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)の前身の日本リーグ機構を作って独立。2005年にプロのbjリーグが発足し、分裂状態が続いた。が、14年、国際連盟から対立を問題視され、日本協会が無期限の資格停止処分を受けたことを契機とし、統合が進められた。その推進役となった川淵三郎・日本バスケットボール協会前会長は「開幕戦としては大成功だったと思う」と安堵の表情を浮かべた。

 この日のチケットは完売。メディアは約200人が押し掛け、NHK-BS、フジテレビ(平均視聴率は期待外れの5.3%=関東地区)などがゴールデンタイムに生中継した。

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