Bリーグ開幕! 「バスケ新時代」成功のカギは選手の成長とプロ意識 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

「何か、バスケットの別次元のステージに上がった感覚を、試合を通して感じていました。今までにない緊張感というか......。下手なプレーはできないって。僕はネガティブに考えないタイプですけど、今日は見られるという不安を特別に感じました」

 いわば新時代の担い手となる使命感である。その緊張ゆえか、両チームとも立ち上がり、シュートミス、パスミスが相次いだ。特に琉球。裏を返せば、A東京のディフェンスがよかったからだが、A東京が元NBAのギャレットやギレンウォーターのシュートなどでリードを広げていった

 世界で初めてのLEDビジョンが試合を盛り上げる。いいプレーの直後には、コートに「EXCELLENT(素晴らしい)」「GOOD DEFENSE(いい守り)」などの大きな文字が浮かび上がる。ゲームの流れに沿って、CGと音が効果的な演出をしているのだった。

 A東京有利の下馬評を裏切り、試合はもつれた。これぞ雑草魂か。琉球は第2クオーターに一時、逆転。第4クオーターの序盤には15点差をつけられたが、怒とうの反撃で、終盤3点差まで詰め寄った。

 琉球ファンの声援、指笛が選手の背を押した。この試合、両チーム最多の16点を挙げた30歳の喜多川修平はこう、言った。

「点差が離されそうなところをしっかり我慢して、相手に食らいついていった。雑草魂じゃないですけれど、踏まれても立ち上がるところを見せることはできたと思います」

 それでも、A東京にはエリート軍団のプライドと勝負強さがあった。第4クオーターの終盤、エースの田中大貴が左の外角から3点シュートを決めた。田中は涼しい顔で「オープンになって、シュートを打つチャンスがあったので思い切り打ちました」と述懐した。

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