いきなり中国を粉砕?リオ五輪バスケ「チームUSA」に死角なし (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 つまり、チームUSA相手に内外を偏(かたよ)りなく守るのは不可能だ。デュラントやカーメロは複数のポジションをこなせるため、マッチアップする選手の弱点をついてアタックもしてくるだろう。対戦チームにとっては、厄介極まりないスターターたちである。

 また、体力勝負に持ち込もうとしても、控えにはジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ/SG)、ポール・ジョージ(インディアナ・ペイサーズ/SF)、デアンドレ・ジョーダン(ロサンゼルス・クリッパーズ/C)といった身体能力の高い選手が揃っており、チームUSAの体力ダウンをうかがうタイミングも皆無だ。

 今大会、チームUSAが金メダルを獲得すれば、オリンピック3連覇となる。さらにカーメロ・アンソニーにとっては、男子バスケットボール史上最多となる「3つ目の金メダル奪取」の快挙だ。「何か特別なことをやれるチャンスがあり、チームの一員でいることに興奮している」と、カーメロ自身もその意気込みを語っている。

 ただし、カーメロ以上に金メダルを欲しているのは、「コーチK」ことマイク・シャシェフスキー・ヘッドコーチ(HC)かもしれない。2005年からアメリカ代表のHCを務めるコーチKは、リオ五輪を最後に退任が決まっている。つまり、今大会が集大成。チームUSAを10年以上率いたノウハウのすべてを、このチームに注ぎ込んで挑む。

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