【国内バスケ】選手兼社長となった折茂武彦が「初めて頭を下げた日」 (5ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

「『スポンサーになってほしい』と、最後の直談判に行ったんです。そこで、『ノー』と言われた瞬間、チームは消滅する。さすがに震えましたね」

 折茂は、包み隠さずにチームの現状を説明し、チームの未来を語り、何よりも「北海道にバスケットボールのチームを残したい」と頭を下げた。

「そこまで言うなら、手伝うよ」

 レバンガ北海道の存続は、その言葉が発せられた瞬間に決まった。

 チーム存続のため、無我夢中で北海道中を奔走した日々――。「チーム存続のため、もっとも奮い立たされたエピソードは?」と折茂に聞くと、彼はこう答えた。

「ひとつには絞れないです。このチームが存続するために、本当に多くの人に迷惑をかけ、心配もかけた。僕ひとりで何かができたわけじゃまったくない。それこそ、街を歩いているときにかけられた『応援してるよ』のひと声、会場で声を枯らして応援してくださる人たちの声援、チームを守ろうとした選手たちの意志、もちろんスポンサーの『がんばってね』の言葉......。たくさんの人たちの"チームを存続させたい"という想いが、このチームが今なお継続して存在する理由なんです」

 ファンミーティングなど、ファンを前にするイベントで折茂がよく言う言葉がある。

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