【国内バスケ】若かりし折茂武彦。「ファンを完全にシカトしてた」 (6ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

 バカみたく、くっちゃべりながら、練習後に残って1000本練習したってまったく意味がない。10本でいいから、1本1本を真剣に打ったほうがよっぽどいい。だから僕は本数じゃない。納得する分だけ打って帰るんです」

 折茂は、求められる喜びを知り、「2年だけ」と決めた期限を過ぎても、ユニフォームを脱がなかった。気づけば、北海道に渡り4シーズン目に突入していた。

 しかし2010-2011シーズン、折茂は大きな試練に遭遇する。レラカムイ北海道、運営会社の経営不振。その累計赤字は、4億7000万円。北海道に生まれたプロバスケットボールチームの存立は、まさに風前の灯(ともしび)だった――。

(第3章に続く)
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【profile】
折茂武彦(おりも・たけひこ)
1970年5月14日生まれ、埼玉県出身。レバンガ北海道所属。埼玉栄高校から日本大学へと進学し、1993年にトヨタ自動車に入社。2007年、新設されたレラカムイ北海道に移籍するも、運営会社の撤退などにより新チーム「レバンガ北海道」を自ら創設。国内プロ団体球技で異例の「選手兼オーナー」となる。日本代表としては1994年・広島アジア大会や1998年・世界選手権など数々の国際大会を経験し、正確なスリーポイントシュートは現在も国内トップレベル。シューティングガード。190cm・77kg。

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