【国内バスケ】折茂武彦、46歳。「北海道だから現役でがんばれる」 (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

「壊れたら辞めるだけ。遠慮しないでくれ。練習でも試合でも、俺を使い倒せ」

 その言葉を聞いたHCは、「わかりました。ちょっと勘違いしていました」と、うなずいたという。

 折茂は、「ただ続けるだけなら、50歳までいける」と語る。

「HCに言ったんです。『このままだったら、50歳までだっていけちゃうよ』って。だってできますよ、ちょっとコートに出て行って、1~2本シュートを打ってベンチに戻る。そんなんでいいんだったら。でも、そんな使われ方に、価値も意味も見出せない。つまんないよ、それじゃ。ケガしてダメになった時点で引退。練習だろうが、試合だろうが、プレー中のケガで終止符が打たれるなら本望。辞める覚悟なんて、とっくにできている。俺は、現役でいたいんじゃない。チームの戦力でいたい」

 もちろん、折茂にも、"引退"の二文字が脳裏をよぎったタイミングならあった。

 2007年、折茂が37歳のとき。在籍したトヨタ自動車で連覇を達成したシーズン後のことだった。その前年に日本で開催された世界選手権で4年ぶりに日の丸を背負い、チームナンバー1の平均12.2得点を記録し、いまだ日本最高峰のパフォーマンスを発揮できる自負はあった。ただ、連覇も達成し、来季へのモチベーションが見つからなかった。

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