「マジか!」のウォリアーズ移籍。
ケビン・デュラントの誠実な説明

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 強豪から、強豪への移籍――。高校のときと違うのは、今回は両親の勧めではなく、「自分で考えたうえで決断した」ということだった。7月1日にフリーエージェント交渉が解禁されてから3日間、サンダーを入れて計6チームと面談し、それぞれのチームから聞いた話をもとに、自分で決断を下した。父はすべての面談に同席したが、決めたのはデュラント本人だった。

「7月3日の夜、僕はまだ迷っていた」と、デュラントはウォリアーズ加入の記者会見で明かした。「次の朝、7時に目が覚めて、部屋のなかを歩き、寝ていたみんなを起こして、『ウォリアーズに行きたい』と言ったんだ」

 古巣サンダーを離れて、ウォリアーズと契約するという息子の決断を聞いた父は、「批判されることもわかっているだろうね?」と確認し、息子は、「その覚悟もできている」と答えたという。

「このプロセスで、彼は人として成長した。息子には、自分が得た情報のすべてをもとに、決断を下せるようになってほしいと思っていた。私にとって、そのことが大事だった」と、父は喜んだ。

 父が警告したように、ウォリアーズを選んだことで、「優勝への近道を選んだ」と批判する声もある。会見の席でも、そういった声に対してどう反論するかを問うものがあった。デュラントは、躊躇することなく答えた。

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