日本男子バスケは、未来永劫オリンピックに出場できないのか? (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 ただ、事はそれほど易しいものだろうか。取材を通して、「日本のバスケットボールに足りないものは何か?」と、ことあるごとに外国人コーチに聞いてみると、彼らは間髪を入れずにこう返してくる。

「すべてだ」

 身長が他国に比べて低いのは今に始まった話ではないが、欠如しているものはあらゆるところに存在する、と彼らは言う。

 実際、代表の強化で代表だけを見ていてはだめだ。広く日本のバスケットボール界全体を改革するくらいでなければ、おぼつかない。Bリーグができたことも、それだけで代表が劇的に強化されるとは思えない。これが欧州だと国内リーグに加えてユーロリーグや地域リーグなど頻繁に外国チームとの対戦が行なわれており、選手はより多くの、多様な相手に接している。島国の日本で同様のことをするのは難しいかもしれないが、そういった機会を増やしていくことは必須だろう。

 しかし、最も注力すべきは育成面。日本での指導経験も長いある外国人コーチは、「日本に足りないのは育成システムだ。日本には育成世代を教えられるコーチも少ないし、システムが確立されなければいつまで経っても勝てるはずがない」と話す。

 よく「日本人は身長のハンディがあるからスピードやシュート力で勝負しなければならない」といった言葉を聞く。だが、フィジカリティ(身体の強さ)はトレーニング次第で伸びるものであり、フィジカリティを強化することでスピードやシュート力などの技術面での向上も期待できるのだ。

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