ナイキがジョーダンを超える
「生涯契約」をレブロンと結んだ裏事情

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

(8)ローズがニックスを立て直す。古豪ついに復活か

 「特別なことが起ころうとしている」。現地、6月24日のニューヨーク・ニックスの入団会見で、デリック・ローズ(PG)は新天地について、そう語った。

  しかし疑心暗鬼どころか、もはや人間不信レベルのニックスファンは、手放しに喜んだりはしない。1990年代、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズ の好敵手だった時代は、はるか昔。2011年にカーメロ・アンソニーが加入して大きな期待が寄せられるも勝てず、2014年にフィル・ジャクソンが球団社 長に就任して期待されるも強くならず......。ファンは何度、歓喜と失望を繰り返してきたことか。

 そういう背景もあり、ローズの加入だけで喜 ぶほどファンはピュアではない。新たに就任したジェフ・ホーナセックHCも、前キャブスHCのデイビッド・ブラットや、前インディアナ・ペイサーズHCの フランク・ヴォーゲルとの交渉に失敗した末の「第3候補」だったとも言われている。ただし、ロビン・ロペス(C)をブルズに放出することに成功したニック スは、サラリーキャップに余裕がある。すでにジョアキム・ノア(C)と契約を結び、さらなるFA選手の獲得も目指しているという。

 また、 今季オールルーキーチームに選出されたクリスタプス・ポルジンギス(PF)は成長著しく、ローズが以前の輝きを取り戻せば、来季大きく飛躍する可能性もあ る。1999年、第8シードからNBAファイナルまでたどり着き、「ミラクル・ニックス」と呼ばれたときのように、奇跡的な快進撃を期待したい。

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