NBA今季の珍事。なぜスリーポイントがこんなにも入るのか (6ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 しかも、昨季のカリーの3P成功率は44.3%で、マークがより厳しくなった今季の成功率が45.4%なのだから恐れいる。ちなみに、フィールドゴール成功率が50%を超える選手は、リーグでわずかに26人しかいない。単純計算すると、2Pを50%の確率で決められる選手が100本のシュートを打てば100得点となる一方、成功率45.4%のカリーが3Pを100本打てば136得点を奪えることになる。統計学を学んでいなくとも、自ずと効率的な攻撃方法として、2Pよりも3Pに重きが置かれるのは自明の理だ。

「では、なぜそんなに入るのか?」という疑問に明確な答えを持ち合わせるコーチは皆無だろうが、カリーの父親である元NBA選手のデル・カリーが3Pシューターだったこと、さらにはステファンの弟のセス・カリーも3Pが得意となると、「高確率で決める秘訣はDNAが関係するのでは?」と勘ぐってしまう。

 今季、3Pの成功本数がもっとも少なかったのは、440本のミルウォーキー・バックス。バックスは優秀なコーチよりも、遺伝学者を雇ったほうがいいかもしれない。

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