田臥、比江島、渡邊たちの決意。日本男子バスケが五輪最終予選に挑む (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 参加国中、日本のランキングは最下位の48位。そんな国が10年ぶりに世界に挑むには確かに強化時間は短すぎる。個々の能力で対抗できない日本は、組織的に戦う必要があるため、チーム作りには時間を要する。昨年、18年ぶりにベスト4入りを遂げて世界最終予選の切符をつかんだアジア選手権においても、6月から準備を開始し、9月のアジア選手権中に、敗戦を修正しながらようやく粘れるチームになっていったのだ。

 それでも、チームの誰もがこの大会の重要性を理解している。長谷川HCは「その名の通りオリンピックの最終予選なのだから、そこは経験しに行くのではなく本気で勝ちに行く。そのプロセスがあってこそ、10年もの空白から世界への第一歩が踏み出せる」と抱負を語る。

 大会は短期決戦。五輪切符獲得までの道のりは、予選ラウンド2試合、準決勝、決勝の4試合のみ。日本の実力を考えれば、予選ラウンドの2試合に全力を注ぐ必要がある。FIBAランキングだけでいえば、日本は35位のラトビア、42位のチェコと相まみえ、他のグループよりは戦いやすい組み合わせに入った。

 とはいえ、ラトビアもチェコも強豪ひしめくヨーロッパでしのぎを削っているチーム。日本よりは1ランク格上であることから、今大会は「超ハードワーク」というスローガンが掲げられた。決戦を前にして、選手たちが掲げる"超ハードワーク"と10年ぶりの世界へ挑む覚悟を示しておきたい。

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