涙のレブロン。前を向くカリー。NBAファイナル、新たな物語の始まり (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

 この星を落とす以上に、ウォリアーズにとって痛かったのが、第3クォーターにアンドリュー・ボーガット(C)がひざを負傷して退場し、検査の結果、残り試合の欠場が決定したことだろう。

 昨シーズンのファイナル終了後、キャブスの多くの選手がケガによる主力の不在を嘆くと、カリーは「健康ですまなかったね」とジョークで返した。皮肉にも、今回はウォリアーズが同じジョークを言われる立場に立たされたのだ。

 ふたたびクリーブランドで行なわれた第6戦は、両チームのエースの出来が明暗を分ける。レブロンはまたも41得点を記録し、さらに11アシスト、8リバウンド、4スティール、3ブロックと大暴れ。ファイナルで2試合連続40得点超えを記録したのは、2000年のシャキール・オニール(当時ロサンゼルス・レイカーズ)以来のことだ。

 一方のカリーは30得点を挙げるも、不用意なファウルが重なり、第4クォーター残り4分22秒という大事な場面で6回目のファウルをコールされて退場。微妙な判定であっただけに、不服なカリーはマウスガードを投げつけるほどフラストレーションを爆発させた。試合は115対101でキャブスが勝利。対戦成績はついに、3勝3敗のイーブンとなった。

 そして6月19日、この試合の勝者が今季のNBA覇者となる運命の第7戦――。一進一退の攻防は続き、文頭の場面にたどり着く。

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