【NBA】王者との再戦、キャブスは「万全なら」の仮説を証明できるか (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 レブロンに限れば、マイアミ・ヒート時代から数えて6年連続となるイースタン・カンファレンス制覇。2014年の夏、ヒートから古巣キャブスへ復帰を決める際の手記には、「故郷――オハイオ州北東部に優勝をもたらすことが何よりも大切」と残した。悲願達成に、レブロンは自信をにじませる。

「昨シーズンとは気分がまるで違う。チームが完璧な状態でファイナルに臨める。それに、このチームはまだまだよくなる」

 一方、ウォリアーズの物語を見れば、舗装されて平坦な道に見えた連覇への道が、実はいくつも地雷が埋められた悪路だった。まさに、ドラマチックな七難八苦の末に辿り着いたファイナルの舞台と言えるだろう。

 振り返れば2013-2014シーズン、ウォリアーズはウェスタン第6シードでポストシーズンに進出し、プレーオフはファーストラウンドで敗退するレベルのチームだった。そんなチームが昨シーズン、突如覚醒――。ステファン・カリー(PG)とクレイ・トンプソン(SG)の"スプラッシュブラザーズ"が大車輪の働きを見せ、一気に頂点まで登り詰めて40年ぶりの優勝を勝ち取った。

 迎えた今シーズンは、レギュラーシーズン73勝9敗とさらにパワーアップした姿を見せつけ、ウォリアーズファンならずともリーグ連覇は微塵も疑わなかったはず。しかしプレーオフに突入すると、ファーストラウンド(対ヒューストン・ロケッツ)第4戦でエースのカリーがひざを負傷。チーム内に嫌な空気がただよい始める。

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