アイシン三河vs東芝神奈川。
「NBL最後の王者」に輝くのは?

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 ファジーカスは、レギュラーシーズンMVPこそライアン・ロシター(F/リンク栃木)に譲ったものの、今季のリバウンド王(1試合平均13.5本)を獲得し、平均得点もリーグ2位(平均25.9得点)を誇るビッグマン。長身(210cm)ながら器用さも兼ね備えており、インサイドでの無類の強さだけでなく、ときおり放つスリーポイントシュートも37.0%の高確率で沈めてくる、まさにアンストッパブルな選手だ。

 レギュラーシーズンの両者の対戦成績は、3勝2敗で東芝神奈川が一歩リード。しかし、アイシン三河が勝った2試合は、15点差と10点差。対する東芝神奈川が勝った3試合は、2点差、4点差、1点差の大接戦だ。流れひとつで点差が開く可能性はあっても、実力は五分と言っていいだろう。3戦先勝方式のファイナル、そのすべての試合が接戦になってもおかしくない。

 力量は紙一重と言っていい、最後のNBLファイナル――。だが、ここで勝つと負けるでは、チームの未来にもたらすものは大きく違ってくる。

 今秋、NBLとbjリーグが統合されて「Bリーグ」が開幕する。この新リーグには、B1(1部・18チーム)、B2(2部・18チーム)、B3(3部・9チーム)の合計45チームが参入する。B1はNBLからの8チームと、bjリーグからの10チームで構成される。9月22日~23日の開幕戦は、フジテレビの地上波独占生中継が決定するなど、1993年のJリーグ開幕の熱狂には及ばないまでも、日本バスケットボール界にかつてない注目が集まることは間違いない。

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