【NBA】「キング」レブロンも従わせる39歳ヘッドコーチの特殊能力 (5ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 ラブはビッグ3のなかでも特に遠慮がちで、自分の役割に戸惑い、自信がないかのようなプレーを見せることが多かった。だが、このときにルーから、「レブロンと同じぐらい、堂々と自信をもってやればいい」と言われて、吹っ切れたのだという。

「タイ(ルー)は多くのヤバい選手(スーパースター)と一緒にプレーしてきた。そういう人、特に自分のヘッドコーチからそう言ってもらえたことで、自信がついた」とラブは言う。

 どんな選手でも、自信がなさそうにプレーすると、うまくいくこともいかなくなる。逆に誰が相手でも、堂々と自分のできることを見せることができれば、自分より才能がある選手からでも敬意を得られるようになる。それこそ、ルーが現役のときにやってきたことだった。

 NBAファイナルでのアイバーソンとのマッチアップも、同じことだ。

 ルーは言う。

「あの映像を見たら、実際には僕のディフェンスは、けっこうよかったとわかるはずさ。彼が後ろに下がったときに、僕はきちんとついていき、シュートをマークしている。その後に倒れて、またがれたのを見て、まるでクロスオーバーで振り回されたかのように言われるけどね。だから、人が言うことは別に気にならない。シーズンMVPに選ばれ、リーグのトップ3選手のひとりだった選手(アイバーソン)を相手にする――というチャレンジに、無名でアンダードッグの自分が挑んでいた。僕の人生は、ずっとそういう物語だったんだ」

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