【NBA】「キング」レブロンも従わせる39歳ヘッドコーチの特殊能力 (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 今年1月、キャブスのヘッドコーチだったデビッド・ブラットが解雇されると、それまでチームのトップアシスタントコーチを務めていたルーが、38歳(当時)にして新ヘッドコーチに抜擢された。タイミングや運のよさがあったことはたしかだが、キャブスがルーを高く評価していたからこそ、シーズン末までのヘッドコーチ代行ではなく、正式なヘッドコーチへの昇格となったのだ。

 ヘッドコーチになって約2ヶ月後の3月下旬、ルーのコミュニケーション能力が発揮されたことがあった。チームの噛み合わせが今ひとつ悪く、下位のブルックリン・ネッツ相手に惨敗した試合翌日のこと。選手たちをホテルの宴会場に集めたルーは、チームの"ビッグ3"――レブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ケビン・ラブに向かって言った。

「君たちは毎晩、お互いがどんなことを求めているのかをわかっていなくてはいけない。君たちが揃ってそれができるようにならないかぎり、私たちは勝てない」

 そう言った後に、ラブに向かってさらに付け加えた。

「ケビン、君はもっとアグレッシブにならなくてはいけない。レブロンに、『俺もヤバくてスゲーんだから(※実際は放送禁止用語を使用)、俺にボールをよこせ』くらいのことを言うんだ。アグレッシブになり、走るんだ。ノーマークだったら、ボールを要求しなくてはいけない」

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