【NBA】「嫌われ者」から「名脇役」へ。進化が止まらないJ・J・レディック (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

「試合のフィルムを見ていると、J・J(・レディック)は何の理由もなく、円を描くように走り回っていることがある。(チームとしてやろうとしている)プレーとはまったく関係ないのに走り回っていて、ディフェンスも一緒に彼に付いて回っているんだ」と、リバースは笑う。

 相手チームからすると、守りにくいだけでなく、マークに付いた選手も大量に消耗する相手だ。クリス・ポール(PG)、ブレイク・グリフィン(PF)、デアンドレ・ジョーダン(C)の「ビッグ3」で形成されるクリッパーズにおいて、レディックは4番手として存在感を示すようになった。

 もちろん、それだけコートで動き回るためには、レディック自身もコンディショニングを保つ必要がある。日ごろの食生活に気を使うだけでなく、試合の日には朝から分刻みで身体を整えて備えるという。

 実は子供のころから、椎間板変性症だというレディック。NBAのドラフト前の健康診断でも、MRI検査でそう診断された。

「スティーブ・ナッシュと同じような状態だ。彼も現役最後の何年かは、3回も椎間板ヘルニアをやっている。(椎間板変性症は)どれだけ上手にメインテナンスをするかにかかっている」とレディックは言う。クリッパーズに加入して最初のシーズン(2013-2014シーズン)は、腰痛のために半分以上も試合を欠場することがあった。そのため、夏のオフ期間中の趣味だったゴルフも、昨年の夏は腰に違和感があったことで、「現役引退するまでゴルフはやめる」と宣言した。

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