【NBA】シンデレラストーリーから1年。ホワイトサイドは本物なのか? (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 もっとも、実際の人生には常に続編がある。夢物語のようなシーズンを送ったホワイトサイドにも、次のシーズンがあった。目覚ましいスタッツを残すだけで注目され、称賛されていた1年目は終わり、ヒート2年目の今シーズンは足りない部分に対する批判も出るようになった。より高いレベルでチームに貢献することが求められるようになったからだ。

 その高いレベルというのは、単に数字を増やすことではない。むしろ、ヒートのコーチやチームメイトが求めているのは、スタッツに表れないところでの成長だ。

 たとえば、1月15日のデンバー・ナゲッツ戦でホワイトサイドは、19得点・17リバウンド・11ブロックのトリプルダブルで勝利に貢献。試合後のヒーローインタビューでホワイトサイドは、「アシストでトリプルダブルを挙げる選手はよくいるけれど、ブロックでのトリプルダブルは誰もやっていない」と、カメラに向かって豪語した。

 たしかにこの3シーズンの間、ホワイトサイド以外の選手では誰もブロックを含んだトリプルダブルを記録していない。カメラに向かって自慢したくなる気持ちもわからなくはない。しかしチームメイトたちは、「この試合で本当に歴史的だったことは別にある」と冗談交じりに言った。それは、オフェンスリバウンドを取った後、ホワイトサイドはいつものように自分で無理に攻めて自滅するのではなく、外にいたチームメイトにパスを出したことだ。

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