【NBA】シンデレラストーリーから1年。ホワイトサイドは本物なのか? (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

「その話をしたときの彼の目は、それまでとは違っていた。まっすぐにこっちを見て、『できます』と言ったんだ」と、スポールストラは説明する。球団社長のパット・ライリーも、「彼の身体も、行動も、そして成熟度も、以前とはまったく違う」とホワイトサイドの成長を認め、契約を決めたという。

 11月下旬にヒートと契約してから、しばらくはローテーション入りできずに出番のない試合が続いた。だが、クリスマス明けにローテーション入りすると、1月11日のロサンゼルス・クリッパーズ戦ではブレイク・グリフィン(PF)やデアンドレ・ジョーダン(C)らを相手に、23得点・16リバウンド・2ブロックの活躍で勝利に大きく貢献。この試合を機に、NBA中から注目されるようになった。

「夢を見ているようだ」と、ホワイトサイドは語った。

「数ヶ月前までは、誰にも見てもらうことがなかった。この夢から目を覚ましたくない。毎日アリーナに来るとき、どれだけ恵まれているかを感じるんだ」

 昨シーズンのホワイトサイドは48試合に出場し、平均11.8得点・10.0リバウンド・2.6ブロックを記録。そしてなにより、選手の1分間あたりの効率性指標となる「PER」では、リーグ5位の26.26を残している。海外リーグを渡り歩いたジャーニーマンから、NBAのエリートへ――。まさに、シンデレラストーリーだ。

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