【NBA】ドアマットチームだったキングスを蘇らせた「2頭の猛獣」 (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

 特に1月のカズンズは、爆発的な活躍でファンを大いに沸かせた。12試合で挙げた平均34.4得点はリーグ1位で、1月25日のホーネッツ戦ではキャリアハイの56得点を記録。2001年にクリス・ウェバーが記録した51得点を抜き、球団新記録を樹立した。その結果、第13週のプレーヤーズ・オブ・ザ・ウィークも獲得している。

 ロンドとカズンズという強力な2枚看板を擁することになった今季のキングス。ディフェンス力さえ向上すれば後半戦も期待大......とは、簡単にはいかないかもしれない。なぜならば、ロンドとカズンズはリーグ屈指の実力者であるのと同時に、気難しさもリーグ屈指だからだ。

 勝ち気で我の強いロンドは、ヘッドコーチ(HC)やチームメイトと何度も対立してきた過去があり、カズンズもこれまで幾度となくHCと衝突し、5年間で4人のHCをクビに追い込み、"コーチキラー"の異名を持っている。気分の乗らないカズンズが露骨に怠慢プレーに走るシーンを、キングスファンはこれまで何度見せられただろうか。

 現在、この"2頭の猛獣"の手綱を握っているのが、27年に及ぶHCのキャリアを誇るジョージ・カールだ。デンバー・ナゲッツを指揮した2012-13シーズンにはコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともある名将で、1月4日のオクラホマシティ・サンダー戦では1156勝目を挙げ、通算勝利数でフィル・ジャクソンを抜いて歴代5位に浮上している。

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