【NBA】ドアマットチームだったキングスを蘇らせた「2頭の猛獣」 (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

 つまり、今季のキングスは、"最高の矛"と"最低の盾"を持ったチーム、なのだ。

 長年ドアマットチームだったキングスを蘇らせたのは、新加入のレイジョン・ロンド(PG)の存在が大きい。2008年にはボストン・セルティックスで優勝を経験し、過去2度のアシスト王に輝いているリーグ屈指のポイントガードは、今季も変わらず健在。現在、アシスト数は平均11.9本をマークしており、リーグ唯一のふたケタ台をキープしている。

 シャーロット・ホーネッツと対戦した今季の2試合(11月23日・1月25日)では、ともにシーズンベストとなる20アシストを記録。1試合20アシストは、1985年にキングスがサクラメントに本拠地を移転して以降、球団最多記録である。過去30年間で、1試合20アシストを1シーズン複数回達成した選手は、わずか18人しかいない。ロンドはこれまで8度達成しており、現役選手では最多。歴代でも史上3位の記録保持者だ。ロンドの活躍はアシストだけにとどまらず、今季すでに6度もトリプルダブルを記録するなど、まさに大車輪の活躍でチームを牽引している。

 そのロンドの加入で今季さらに輝きを増したのが、チーム生え抜き6年目のデマーカス・カズンズ(C)だろう。211センチ・123キロの巨体ながら俊敏性も兼ね備え、ゴール下でのパワフルなプレーはまさしく"アンストッパブル"な存在だ。今季は平均27.2得点(リーグ3位)、平均11.2リバウンド(リーグ4位)の好成績を残し、ロンドとともにキングス快進撃の原動力となっている。

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