【NBA】オシャレなラッセル・ウェストブルックが安い服を着る理由 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 コート上でのウェストブルックも、自分のやり方を貫いているという点ではファッションと同じだ。「ポイントガードなのにシュートを打ちすぎる」「判断力が悪い」「無謀なプレーが多すぎる」などと批判されることも多かったが、そういった声をバネにしてきた。

 その根底には、子ども時代に父からの厳しい練習で鍛えられた日々があった。父からは、うまくいかなかったときの悔しさやフラストレーションが嫌なら、その感情を感じなくてもいいように努力するように言われたという。熱く、それでいて図太い人間になったのは、そんな父の教えのおかげだった。

 もっとも、父にスパルタで教えられていたころは、自分がNBA選手になるとは思ってもいなかったという。

「多くのNBA選手たちは、8歳ぐらいのころからバスケが得意だったようだけれど、僕は自分がNBAでプレーすることになるなんて思ってもいなかった。17歳ぐらいまでは、うまいほうでもなかったんだ」

 17歳でUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に入ったときも、決してエリート選手ではなかった。スピードはあるけれど、粗削りな選手。もっともそのころ、夏のピックアップゲームでウェストブルックを見たコービー・ブライアントト(ロサンゼルス・レイカーズ)は、負けず嫌いな少年のエネルギッシュなプレーに、「いったい、あいつは誰だ?」と目を見張ったという。

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