【男子バスケ】田臥、竹内が目覚めさせた代表の新エース比江島慎 (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

「自分は今30歳で、選手として今が一番いい時期を迎えていると思うので、大会へのモチベーションがすごく高かった。今後は言葉でも、体でも、プレーでも示してくれる田臥さんのような強い人間になるように、もっと引っ張っていきたい。そういう人間が増えることで代表は強くなれると思う」との決心で臨んだ今大会は、大会2位となる平均11.9本のリバウンドをもぎ取ってチームを支えてきた。

 そして、大会を通じてもっとも成長したのは、チーム1の得点リーダー(平均15.9点)となった比江島慎である。一緒に2ガードを組んだ田臥は「アイツの攻め気の良さが出てきて面白いチームになってきていると思う」と成長ぶりを頼もしく見つめていた。

 もともと比江島は学生時代から1対1で打開できるエースであり、所属チームのアイシンでもシューティングガード(SG)を務めているが、大型化計画のもとで、2012年のアジアカップより代表ではポイントガード(PG)にコンバートされた。だが当時は「頭を使うポジションなので、嫌で嫌でしかたなかった」と胸中を明かしている。

 "司令塔"という言葉を重く受け止め、ゲーム作りに気を遣いすぎて自分らしさを失ってもいた。自身は1対1ができても、ボールを持ちすぎることで周りの動きが止まってしまう悪循環が今でも起こる。PGとしては修行中だ。

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