【女子バスケ】世界4位の快挙。「小さくても勝てる」ヒントを探る

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro  利根川幸秀●撮影 photo by Tonegawa Yukihide

――国際試合を戦うために、選手選考で重視したのはどんな部分でしたか?

萩原 『フィジカル』『シュート力』『経験値』の3項目を重視しました。特にフィジカルに関しては、背が低いのはどうしようもない。ただ、小さくてもコンタクトを嫌がらなければ、背が高い選手を相手にしても何とかなる面がある。日本の選手は、ややもすると、「かわすプレーがよいプレー」だと思っています。でも、バスケットはエリアの奪い合い、肉弾戦の要素が間違いなくある。なので、ぶつかり合いに負けないフィジカルの強さ、接触を嫌がらないメンタルの強さを持った選手かどうかを重視しました。

――チーム最高身長の選手(184センチ)をスターターで起用しなかったそうですが、その意図は?

萩原 今年5月に実業団と試合をさせてもらったんですが、高さに高さで対抗しようと、最初はセンター2枚をスターターで起用したんです。そうすると、オフェンスがうまく機能せず、得点が伸びませんでした。悩んだのですが、私自身が海外でプレーした経験、アンダーカテゴリーでアシスタントコーチをさせていただいた経験から考えると、やはり日本の強みは「アウトサイド」なんです。いいシューターもいる。だったら、より小さなチームになろうと、アウトサイドの得点力を生かすことを優先しようと考えましたね。

――弱点を補うよりも、ストロングポイントを強調したと。

萩原 そうです。大きなチームに対抗するために、「小さかったら平面的に賢く動こう」をテーマにしました。オフェンスでは、とにかくドライブして残りの4人が合わせる。日本が小さいから「そのスタイルでしか戦えない」と考えるのではなく、他の国には絶対にできないスタイルなのだから、それは自分たちだけの武器、強みと考えたんです。

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