【NBA】なぜスパーズは「オルドリッジ獲得」の賭けに出たのか? (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 他チームと競争するためには、労使協定で許される最高額のサラリーをオファーする必要がある。そのために、5年にわたって育て、チームの中核メンバーにまで成長したティアゴ・スプリッター(PF)をトレードで出して準備を整えた。さらに、自チームでフリーエージェントとなったマルコ・ベリネッリ(SF)やコーリー・ジョセフ(PG)らが他チームとの契約を決めていく中、オルドリッジの決断を待った。

※ティアゴ・スプリッターはアトランタ・ホークス、マルコ・ベリネッリはサクラメント・キングス、コーリー・ジョセフはトロント・ラプターズに移籍。

 継続性を大事にしてきたスパーズにとって、大きな賭けだった。そんな賭けをすること自体、スパーズらしくないように思えた。

 しかし、その一方で、いつもと違うことをやったからこそ、「本当のスパーズらしさとは何なのか?」という問いを浮き彫りにもした。本当のスパーズらしさとは、過去に成功したやり方を、うまくいったからといって盲目的に繰り返すのではなく、チームにとって最適なやり方を常に追い求め、入念な準備をし、チーム一丸となって実行に移すことなのだ。

 この夏の目的は、ティム・ダンカン後(現在39歳)にチームを支える選手を獲得すること。端的に言うと、世代交代の準備だ。

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