【NBA】今季MVPのステファン・カリーを凌ぐ「真の勝者」は? (6ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 そして、カリーが初めてナンバー1を獲得したモノが、もうひとつある。それは、ユニフォームの売り上げだ。2014-2015シーズンの累計では、レブロンが6年連続して売り上げ1位を記録した。ただ、プレーオフが始まった4月から6月の3ヶ月の売り上げでは、カリーがレブロンを逆転して初の売り上げナンバー1に輝いている。

 2009年、カリーがウォリアーズに入団した当初は、「身長も身体能力も足りない」「ケガが多い」「ディフェンスが下手」「足が遅い」と多くの酷評を受けた。そんな選手がたゆまぬ努力を続けた結果、ナンバー1の称号を手にしたのである。カリーを勝者と讃えることに、異論がある者はいないはずだ。

 しかし本当の「勝者」は、カリーと契約しているスポーツ用品メーカー『アンダーアーマー』なのかもしれない。金額こそ公表されていないものの、アンダーアーマーは2013年の秋にカリーと契約。その後、わずか2シーズンでカリーは瞬く間にスーパースターへの階段を駆け上がっていった。それまで契約していたナイキは、きっと舌打ちをしているはずだ。今シーズンもっとも笑った「勝者」は、絶好のタイミングで契約を勝ち取ったアンダーアーマーなような気がしてならない……。


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