【NBA】10年に1度の大豊作。新人王を手にするのは? (2ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 ポテンシャルのウィギンス、即戦力のパーカー。このふたりのうち、どちらかが今季のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝くだろうと囁(ささや)かれ、シーズン開幕前には『NBA.com』が30人のGMを対象に行なったアンケートで、「今季の新人王は誰か?」という問いに対し、75%のGMがパーカーを指名し、ウィギンスは17.9%にとどまった。

 そしてシーズンが開幕すると、前評判どおりパーカーは即戦力として安定した活躍を見せる。25試合で平均12.3得点(ルーキー2位)、5.5リバウンド(同4位)をマーク。昨季15勝67敗だったバックスを牽引し、13勝12敗の好スタートを切ることに大きく貢献した。

 そして11月には、イースタン・ルーキー・オブ・ザ・マンス(月間最優秀新人賞)を獲得。新人王レースで大きくリードしたかに思えた。しかし12月15日、フェニックス・サンズ戦で左ひざの前十字じん帯を断裂し、残りシーズンの全休が決定することに......。過去に多くのプレイヤーから輝きを奪った故障箇所だけに、来季以降にも暗雲が立ちこめてしまった。

 対するウィギンスはシーズン開幕からスターターに定着し、4月13日現在、出場した81試合すべてに先発。昨年12月終盤からはスタッツを急上昇させ、平均16.8得点(ルーキー1位)、4.5リバウンド(同8位)の成績を残している。さらにウィギンスは、NBAオールスターウイークエンドに開催されたライジング・スターズ・チャレンジ(※)で22得点を記録してMVPを獲得。11月から2月まで4カ月連続で、ウェスタン・ルーキー・オブ・ザ・マンスにも選出されている。パーカーが離脱した今、新人王に最も近いのがウィギンスであることは間違いない。

※ライジング・スターズ・チャレンジ=NBA1年目の選手と2年目の選手で構成されたチームの間で行なわれる対抗戦。

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