【NBA】リバウンド王がいつも周囲を笑わせている理由 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 ジョーダンにディフェンダーとしての役割と誇りを与えたのは、そのリバースだった。2年ほど前、クリッパーズのヘッドコーチになったリバースは、その直後にカリフォルニア州マリブのレストランでジョーダンに会い、「ディフェンスでチームを率いる」という責任を与えた。ビル・ラッセル(1956年~1969年/ボストン・セルティックス)、デニス・ロッドマン(1986年~2000年/シカゴ・ブルズなど)、ベン・ウォーレス(1996年~2012年/デトロイト・ピストンズなど)、そして現役のタイソン・チャンドラー(ダラス・マーベリックス/C)といった名前を挙げ、「彼らのプレイを研究してマネするように」と言ったのだった。そして、名前を出した全員がNBAで優勝している事実に触れることも忘れなかった。

 それ以来、ジョーダンはクリッパーズのディフェンス担当キャプテンになった。ゴール下を守り、声を出して指示し、味方が抜かれたときにはカバーもする。また、試合中だけでなく、ロッカールームや練習でもディフェンスの重要性をチームメイトに説いてまわった。ヘッドコーチに信頼され、責任を与えられたことによって、プレイの方向性をはっきりと自覚し、さらに自信もつけたという。

「バスケットボールは、チーム競技だ。ドックが自信を与えてくれたことで、このチームのリーダーだという自覚が出てきた。大事なのは、チームとしてひとつにまとまり、試合に勝つことだ」と、ジョーダンは語る。

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