スラムダンク奨学生・村上駿斗「日本人で一番うまくなりたい」 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文・写真 text & photo by Miyaji Yoko

――サウスケント・スクールのヘッドコーチ、ケルビン・ジェファーソンの印象はどうですか?

村上 コーチのことは好きです。コーチのバスケットに対する考え方、「ディフェンスをやらない選手は使わない」とか、「練習でできない選手は、試合でもできないから使わない」という考え方は、山形南のコーチと似ています。

 自分にとってコーチは、お父さんのような感じです。ずっと心配して気にしてくれて、声もかけてくれて。授業がないときはコーチのオフィスに行っていろいろ話したり、前の試合の映像を見たり、次の相手の試合を見たりしています。映像を止めながら、「ここはこうだ」とか、チームのことに対しても個人に対しても言ってくれるんで、そこは練習で修正できるし、自信を持って仲間に言うことができる。コーチと話して、練習して、試合して、またコーチと話してって、その過程でかなりうまくなれたと思います。

 試合に出られなかったときは、「悔しい。出たい」という気持ちをコーチに伝えたこともありました。そうしたら、「分かった。じゃあ、次の試合でお前に時間をあげるから、挑戦してみろ」って言われて。

――そういったチャンスをモノにできるかどうかも、シーズンの分かれ目だったのでは?

村上 そうですね。落ち込んだときとか、たまにコーチに電話するんですけど、そのときも、「絶対にチャンスが来るから待て。練習し続けて待て」って言われて……。それを信じて、試合に出られないときもずっと練習を頑張りました。最後、シーズン後半でやっとチャンスが回ってきたので、それをモノにすることができたのは収穫ですね。

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