スラムダンク奨学生・村上駿斗「日本人で一番うまくなりたい」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文・写真 text & photo by Miyaji Yoko

――留学先のサウスケント・スクールに来て、一番つらかったことは?

村上 やっぱり大学進学のことですかね。まだ大学奨学金のオファーはもらっていないんですけれど、周りの選手が本当に10個も20個もオファーをもらっているような選手ばかりで、自分も欲しいと思っています。今シーズン、渡邊雄太(※)さんがNCAAディビジョン1のジョージ・ワシントン大で活躍しているので、それが自分の中でも焦りにつながっているんです。これまでスラムダンク奨学金の選手たちは、大半がコミュニティ・カレッジ(公立の2年制大学)に進んでいたので、正直、自分はそれを越えてやろうと思ってアメリカに来たんです。あと、スタメンになることにもこだわっていました。

(※)渡邊雄太=1994年10月13日生まれ、香川県出身。2013年3月、尽誠学園高を卒業した後にアメリカ留学をし、プレップスクールの「セント・トーマス・モア・スクール」に入学。そこでの活躍が認められて、2014年2月にはNCAA(全米大学体育協会)でトップランクに位置するディビジョン1のジョージ・ワシントン大(4年制)に進学した。202センチ・88キロ。

 ただ、シーズン途中で考え方を変えたことがあって、大学のことやスタメンになれるかどうかを心配するのをやめて、目の前の相手を倒すということと、バスケを楽しむことにしました。不安になったとき、日本にいる親や親友に電話するんですけれど、「そんなに考えないでバスケを楽しめばいい」って言われて......。試合数も限られているし、バスケが楽しいので、大学のことを考えてモヤモヤするより、ひとつひとつのプレイを楽しんで、勝ってチームで喜ぶということをやっています。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る