竹内譲次「子供たちのためにもトップリーグはひとつ」 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

――個人の考えとしては、日本のトップリーグの在り方はどうあるべきだと思いますか。

竹内 僕はひとつのプロリーグでやるべきだと思います。未来の子供たちがバスケ選手になりたいといった時に、サッカーだったらJリーガーになりたい、野球ならプロ野球選手になりたいと言えるのに、バスケだったら「NBLの選手になりたい」「bjの選手になりたい」とふたつに分かれてしまうのは寂しいと思います。そして子供たちの間ではどっちのリーグのほうが上だという話が出る。そこで言い合うのは寂しいこと。子供たちの目指すものはひとつであってほしい。将来の子供たちのためにも、トップリーグはひとつになってほしいです。

――統一リーグを作るとして、今、企業チームが抱えている問題点は何だと思いますか。

竹内 プレイオフは別ですけど、観客の少なさは寂しいかぎりです。現段階では企業チームは観客が入らなくても存続できるかもしれませんが、それに甘えている気持ちは一切ありません。今は日立の運営スタッフが企画を組んでくれて、選手も一緒にやっています。でももしかしたらプロチームに比べて努力が足りないかもしれないし、すぐにたくさんの観客を呼ぶのは無理かもしれないけれど、2000人の集客を目指して案を出し合って改善しているところです。そんな中で選手は競技力を上げる努力をすることです。やっぱり、日本の弱さも集客できない原因だと思うので。

――今言ったように、日本のリーグ全体として集客が苦しい状況にあります。代表もアジアを勝ち抜くことができない。実際に戦っている選手たちはこのバスケ界の低迷した状況をどのように感じているのか、このままでいいと思っているのでしょうか。意見を聞かせてください。

竹内 自分は去年に選手会を作るまで、与えられた場所だけでバスケをやってきたのだと気づかされました。何かがバスケ界で起きても状況がわからないことばかりなので、逆に、下手なことは言えないと思っていました。でも、選手会で話してみると、みんな何とかしたいとは思っていますし、そのためにも正確な情報を知って判断できるようにならなければいけないです。

 選手会としては、オフに選手主導の(NBLとbjの選手が一緒に)チャリティーバスケをしたことは今までにない第一歩でした。プロ野球などは労使協定がありますが、バスケの選手会はそこまでの力はなくて、今は認知されていく段階です。やはり、選手だったら活躍すればいい待遇になるのは当然のことだと思いますし、統一するといっても、そういう夢を与えるリーグを作らなくては意味がないと思います。今後はそういう問題を含めて、選手会で必要な時はリーグに発言しようという意見も出てきています。

 今はバスケ界が混乱していますが、日本のバスケを盛り上げたいという思いは、企業でもプロチームでも一緒だと思うので、そのことだけは見失わないようにしていきたいです。

【プロフィール】
竹内譲次(たけうち じょうじ)
1985年1月29日、大阪府出身。207cm、98kg
NBL日立サンロッカーズ東京所属。双子の兄・公輔とともに十代の頃から注目され、洛南高校から東海大学に進学。今では、日本代表で欠かせない存在となっている。


日本バスケ界に一言
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