NBA開幕。王者スパーズの連覇を止めるのはどこだ?

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro photo by Getty Images

 また、昨季27勝55敗とかつての名門の面影さえなくなったロサンゼルス・レイカーズも、必見のチームだ。開幕直前、40歳になったスティーブ・ナッシュ(PG)が自宅で荷物を持った際に腰を痛め、メディカルスタッフとの協議の結果、今季全休が決まった。アキレス腱断裂手術のリハビリと、ひざの骨折で昨季76試合を欠場したコービー・ブライアント(SG)が、今季は孤軍奮闘しなければいけない。レイカーズは今季も苦しい状況が続きそうだ。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』が開幕直前に恒例で行なっている「NBAプレイヤーランキング」で、コービーは昨年の25位から大きく順位を落とし、40位と評価された。ランキングについて聞かれたコービーは、笑顔を浮かべながら、「あいつらがバカの集まりだということは、昔から知っている。何があっても、俺はやるべきことをやるだけ」と一蹴したものの、心の内が煮えたぎる想いなのは、コービーの性格からすれば想像しやすい。ちなみに昨年、25位にランクされたことを知ったコービーは、「俺を25番目と考える人間は、薬物検査が必要だ」と言い放っている。プレシーズンゲームのユタ・ジャズ戦でコービーは、28分の出場で27得点を記録するなど、往年のキレも戻っている。周囲を見返そうと燃えているコービーが、今季再びスコアリングマシーンと化すのは、火を見るより明らかだ。

 ただ、そんなコービーも今年で36歳。引退の二文字は確実に近づいている。レイカーズの勝敗を度外視してでも、コービーのプレイは目に焼き付けておくべきだろう。コービーはあと592得点挙げると、キャリア通算得点数でマイケル・ジョーダンを抜き、歴代3位に踊り出ることも忘れてはいけない。

 スパーズが再び群雄割拠のカンファレンスを制し、いまだ成し遂げていない連覇を達成するか? それに待ったをかけるチームはどこか? アンソニー・デイビスら若手の台頭、コービー・ブライアントの復活はいかに? 今季もウェスタン・カンファレンスは見どころ満載だ。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る