【男子バスケ】W杯開幕。本命アメリカの対抗馬は? (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

 それでも、アメリカ代表選手の能力はずば抜けている。中でもアンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ/PF)は、4年前の世界選手権で活躍したデュラントがその後、NBAでMVPに選ばれるほどブレイクしたように、この大会の経験を踏み台に成長が期待される有望株だ。

 不安材料は、若いチームだけに勢いがあるときは強いが、崩れたときにリーダーとなってチームを立て直せる選手がはっきりしていないこと。国際試合の経験豊かなチームとの試合で、どこまで実力を出せるかがカギとなる。アメリカ代表を率いて9年目――、この間の国際大会成績43勝1敗のマイク・シャシェフスキー・ヘッドコーチの手腕にも注目だ。

 アメリカの対抗馬として、最有力候補は地元スペインだろう。2006年に日本で開催された世界選手権の優勝チームである。北京五輪、ロンドン五輪では決勝でアメリカと対戦し、接戦で敗れているだけに、地元でアメリカを倒して優勝したいところだ(2006年はアメリカが準決勝でギリシャに敗れたため直接対戦で倒していない)。アメリカとの対戦は、両チームが決勝まで勝ち進まない限り実現しないが、可能性は十分にある。

 パウとマークのガソル兄弟(パウ=ブルズ/PF、マーク=メンフィス・グリズリーズ/C)と、サージ・イバカ(サンダー/PF)のビッグマン・トリオは、アメリカにとって最大の脅威となるだろう。また、ガソル兄弟とともにスペインの黄金時代を支えてきたフアン・カルロス・ナバーロ(元グリズリーズ/SG)、次世代を担う存在のリッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ/PG)など、人材は豊富だ。ただ、スペインが戦うグループAは、今大会一番の強豪揃い。決勝トーナメントに入ってからの戦いも、決して楽ではない。その過酷な戦いを勝ち抜いて決勝まで駒を進めることができれば、アメリカを倒すチャンスは大いにある。

 今年のワールドカップは、アメリカとスペインの「二強」を倒せるだけの力をもったチーム、そして魅力ある選手たちが多い。以下、グループ別に注目チームと、注目NBA選手を挙げておこう。

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