【NBA】オールスターゲームの「カギ」を握るのはコイツだ (3ページ目)

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, Getty Images

 今年初めてオールスターに選ばれた選手は、リザーブも含めて5名います。イースタンでは前出のカリーと、ダミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ/G)の2名、ウェスタンではジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ/G)、デマー・デローザン(トロント・ラプターズ/G)、ポール・ミルサップ(アトランタ・ホークス/F)の3名です。オールスターという大舞台でプレイすれば、彼らにとって大きな自信になると思いますよ。スター選手と同じコートに立ち、時には指示を与えてゲームを組み立てるという経験は、非常に価値あるものとなるでしょう。そういう経験が、リーダーシップを育(はぐく)むのです。僕は「リーダーシップのある選手=良い選手」と思っているので、オールスター後の彼らの成長にもぜひ注目したい。

 今シーズン、ワシントン・ウィザーズを牽引しているポイントガードのジョン・ウォールは、オールスター後に大化けするかもしれませんよ。「好き勝手にプレイしている」という批判も少なくありませんが、彼がNBAで結果を残しているのは事実です。オールスターを経験し、メンタル面での成長が加味されれば、ブレイクする可能性は十分にあります。ぜひともオールスターでは、ウォールに多くのチャンスを与えてほしいですね。

 今回のオールスターゲームは、例年以上にアップテンポな展開になるような気がします。もともと、オールスターはアップテンポになりがちですが、今年はセンターがスターターに選ばれなかったので、よりシュートを打つタイミングが早くなるのではないでしょうか。これだけ攻撃的なガードとフォワードがコートに出るとなれば、もしかしたら記録的なスコアになるかもしれません。

 もし、僕が選手としてどちらかのチームでプレイできるのなら、イースタンでやってみたいですね。ポール・ジョージやレブロン・ジェームズに指示を出して動かしてみたい(笑)。一方、ヘッドコーチという立場でオールスターに臨むなら、ウェスタンですかね。先ほども言ったように、僕はラブみたいな選手が好きなんです。基本に忠実で、自分の能力を分かっている頭の良いプレイヤーがいれば、ゲームを作る上でとても心強い。逆にイースタンは、みんなボールを欲しがるので、気を遣いそうで……(笑)。そんな想像が膨らむほど、今年のオールスターは見どころ満載。学生時代から欠かさずNBAオールスターを見ていますが、今年は現地ニューオリンズまで見に行くので、どんなゲームになるのかとても楽しみです。


取材協力:WOWOW
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プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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